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8.炎症とグネチンC

炎症とグネチンC

①炎症とは


 炎症とは、身体に何らかの被害があった時に、それらを排除して身体の恒常性を維持し守るための防御反応です。例えば、転んで傷ができ血が出るとマクロファージなどの免疫細胞が集まり、侵入してこようとする微生物やウィルスを排除しようとし、情報伝達として炎症性サイトカインを放出したり、ケモカインを放出することで傷口に免疫細胞を集めます。この時に、実際に感じる痛みなどの反応が炎症です。炎症とは体を守るためにはなくてはならない、必要な現象になります。一般的に、炎症には以下の5つの徴候があるとされています。

 ・発赤(redness):患部が赤くなる
 ・発熱(fever):患部が熱を持つ
 ・腫脹(swelling) :患部が腫れる
 ・疼痛 (pain) :患部が痛む
 ・機能障害(disturbance of function) :患部が機能することができない

②慢性炎症と肥満


 傷ができて血が出るといった際の炎症は急性炎症といい、傷が治ると痛みなどの炎症反応も収まっていきます。何らかの理由で炎症が終わらず継続すると慢性炎症(Chronic inflammation)となり、組織の機能不全につながります。肥満になると、脂肪細胞が産生するアディポサイトカインの調節が機能しなくなり、脂肪細胞における慢性炎症の発生を促します。

 その結果、インスリン抵抗性が進行し糖や脂肪の代謝異常を起こします。そして中性脂肪やHDLコレステロールが基準を超える脂質異常、高血糖、高血圧などのいわゆるメタボとなり、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病を誘発します。糖尿病などでは足先の壊死するなども起こりえるため、慢性炎症につながる肥満とは現代が抱える大きな課題となっています。

関節痛のイメージ図 8.炎症とグネチンC

③慢性炎症と疾病


 慢性炎症が関わる病気としては、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、関節リウマチおよび多発性硬化症(multiple sclerosis)などの自己免疫疾患がありますが、その他にもがん、アルツハイマー病や老化にも関与していると言われています※1。歯周病(periodontal disease)や炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)なども慢性炎症が原因とされています。

④メリンジョの歯周病抑制効果


 歯周病は酸化ストレスによって引き起こされる慢性炎症の病態の一つですが、その酸化ストレスがROS(活性酸素種:Reactive Oxygen Species)として血液を通して全身に伝えられるとされています※2。メリンジョには、歯周病で発生する炎症性サイトカインを抑制する効果があります。

 ラットを用いた試験では、コントロール群(C群)、結紮(糸で歯を結ぶ)により誘発させた歯周病誘発群(P群)、歯周病誘発+メリンジョエキス(P+R群)の3グループに各6匹と分けて3週間飼育、メリンジョエキスの投与量は経口投与にて10mg/kgとし、炎症性サイトカインなどの発現量を測定しました。歯ぐき細胞を採取し分析した結果、炎症性サイトカインであるインターロイキン-1β(IL-1β)、インターロイキン‐6(IL-6)および腫瘍壊死因子(TNF-α)のmRNAはC群に対してP群は著しく増加しましたが、メリンジョエキスを摂取したP+R群は、P群に対して大幅に減少していました※2。

 また血中の炎症性サイトカインについても測定した結果、TNF-αはC群に対してP群は有意に増加し、P群に対してメリンジョエキスを摂取したP+R群は有意に減少しており、IL-1βおよびIL-6についても同様の傾向が見られました※2。歯周病については、「歯周病とグネチンC」のページで詳しくご紹介致します。

歯周病の変移イメージ図 8.炎症とグネチンC

⑤メリンジョによる血中の炎症性サイトカイン抑制効果


 ヒト試験にて健常人の血液から採取した免疫細胞を用いたin vitro試験において、炎症性サイトカイン誘導物質であるPHAによりインターフェロン-γ(IFN-γ)、腫瘍壊死因子(TNF-α)、グランザイムB(GZMB)を誘導させ、メリンジョエキスを添加し培養したところ、濃度依存的にこれら炎症性サイトカインが減少しました。また健常人(34~42歳の男女5人)の血液においても、メリンジョエキスの摂取によりGZMBが検出限界に近い程度まで産生を抑制する傾向がみられました※3。

⑥脂肪細胞からのサイトカイン産生調節効果


 肥満になると脂肪細胞(adipocyte)が肥大化し、脂肪細胞が産生するサイトカインであるアディポサイトカインの産生が適切に機能しなくなり、炎症性サイトカインであるTNFαなどが増加する一方で、抗炎症性サイトカインであるアディポネクチン(adiponectin)が減少し、炎症が慢性化して肥満をさらに促進していきます。

脂肪細胞が産生するアディポサイトカイン 8.炎症とグネチンC

 炎症を抑制するアディポネクチンは血中では3量体、6量体、多量体の形で循環していますが、その中でも特に多量体の減少が肥満や代謝異常に影響します※4。メリンジョは、健常人においてアディポネクチンの多量体化を増加させる効果があります。

 共分散構造分析(Structural Equation Modeling)を用いた統計解析では、メリンジョ摂取によりアディポネクチン多量体化を調節する遺伝子(AMPK、FoxO1、PPARγ)経由でDsbA-Lを活性化させ、アディポネクチンを活性化させると考えられます※5。それにより糖・脂質代謝の改善、インスリン抵抗性の改善、炎症性サイトカインであるTNF-αなどを抑制し、慢性炎症を抑制していくことが期待されます。

 生体内ではDsbA-L遺伝子がアディポネクチンの多量体化を促進させます。メリンジョ種子エキス粉末300㎎/日の摂取より、このDsbA-L遺伝子発現が弱いDsbA-LのG/TタイプとT/Tタイプの被験者の多量体化を増加させることで、二重盲検ランダム化比較試験において有意にアディポネクチンの多量体化を増加させました※5。

 さらに、高脂肪食を摂取しているマウスにメリンジョエキス粉末を与えると1000㎎/kg/dayで体重、空腹時血糖値、精巣脂肪、皮下脂肪の増加を有意に抑制しました。また、肝臓では差はありませんでしたが、高脂肪食摂取時に筋組織において活性が減少する遺伝子で、脂肪代謝を調節するPGC-1α、PPARα、SREBP1cを有意に増加させて回復させました。さらに、脂肪量あたりの総アディポネクチン量とアディポネクチン多量体量は有意に増加しました※5。

 骨格筋は脂肪酸をエネルギーとして使用する組織であり、その骨格筋にて脂肪酸代謝を正常に保つ効果は、抗炎症効果にもつながります

 グネチンC150㎎を服用した別の二重盲検ランダム化比較試験では、総アディポネクチンはプラセボに対して有意に減少し、多量体アディポネクチンはグネチンC摂取群の摂取14日後は摂取前に比べて優位に減少していました※6。上述のヒト試験※5でも総アディポネクチンは減少傾向であったので、総アディポネクチンは減少することは2つの試験で同じ傾向ですが、ヒト試験6では、被験者のDsbA-L遺伝子に偏りがあったのかもしれません。

⑦メリンジョによるミトコンドリアの活性化


 マウスを用いた他の試験でもメリンジョの抗炎症効果に関するデータがあります。高脂肪食を摂取したマウスのグループ(HFD群)は体重、体重当たりの脂肪量(鼠径部白色脂肪組織(iWAT)、生殖部白色脂肪組織(gWAT))、肝臓トリグリセリド、インスリン抵抗性が増加しますが、高脂肪食+メリンジョエキス粉末のグループ(MSE群)はHFD群に対してこれらの数値が有意に減少しました。同時に、褐色脂肪組織(BAT)においてミトコンドリアの熱産生に関わるUCP1およびエネルギー(ATP)産生に関わるCOX4のタンパク量を有意に増加させました※7。

3種の脂肪細胞 8.炎症とグネチンC

 これはミトコンドリアを活性化して熱産生およびエネルギー代謝を促進、基礎代謝を上げることになり、その影響で脂肪細胞の炎症を抑制すると考えられます。実際に慢性炎症を促すマクロファージ浸潤は炎症性サイトカインにより誘発されますが、褐色脂肪組織において炎症性サイトカインであるMcp1のmRNA発現量はHFD群に対してMSE群は有意に減少し、鼠径部白色脂肪組織においてもMcp1、IL-1βが有意に減少し、TNF-αおよびIL-6でも同様の傾向を示しました。ただ、褐色脂肪組織においてIL-6は有意に増加していました※7。

 IL-6については、炎症性サイトカインのみでなく他の機能もあると考えられます。8.筋肉とバングレンの③バングレンのマイオカイン産生増加効果でも記載していますが、IL-6には筋肉から産生されるサイトカインである「マイオカン」としての働きもあり、筋組織においてグルコースの取り込みを促進する効果があります。サイトカインの複雑なシステムを明らかにするには、さらなる研究が求められます。

 ミトコンドリアは細胞内に存在する小器官で、糖や脂肪を原料に運動などの活動に使用するエネルギーであるATPを産生したり、熱産生して基礎代謝を上げるなどの機能を有しています。詳しくは、8.筋肉とバングレンの④バングレンによる疑似的な運動効果をご覧ください。

⑧グネチンCによる脳内の抗炎症効果


 脳などの中枢神経系では、ミクログリアやアストロサイトなどのグリア細胞が神経細胞の活動を支えていますが、主に脳内の免疫機能を担うミクログリアの過剰活性化が脳内での炎症を引き起こすことが知られています※8。例えば、うつ病患者の脳内ではミクログリアが過剰活性化していることが明らかになっています※9。このように、脳内でも炎症が原因で神経変性疾患に至ることもあり、慢性的な炎症をいかに防ぐかが重要になってきます。

 グネチンCは、脳内の炎症を抑制する効果があることがin vitro試験で明らかになっています。炎症性サイトカインを誘発するケモカインの1種であるCCL2とCCL5を、誘引成分であるPoly ICで誘発させたヒト神経膠芽腫U373MGにおいて、グネチンC濃度が10μMではCCL2を79%、CCL5を96%と濃度依存的に減少させました。

 同様にヒト神経芽細胞腫SH-SY5Yにおいて、グネチンC濃度が10μMでCCL2を35%、CCL5を53%減少させました。その作用機序は、U373MGにおいてはSTAT1のリン酸化を強く抑制し、SH-SY5YにおいてはIFNβの発現を抑制することで減少させています※10。

脳内炎症イメージ図 8.炎症とグネチンC

 CCL2およびCCL5は、日本人の多くが乳幼児の時に感染するエプスタインバールウイルス(Epstein-Barr Virus)※11の関与が影響しているかもしれないとされる自己免疫性神経疾患である多発性硬化症(multiple sclerosis)にも関連していると言われています※12。

※1 国立研究開発法人 科学技術振興機構
※2 Free Rad. Bio. & Med. 75, 222-229 (2014)
※3 Integr .Mol. Med. 2, (6) 405-413 (2015)
※4 Best Pract. Res. Clin. Endocrinol Metab. 28, (1), 25-31 (2014)
※5 Scientific Reports 10, 4313 (2020)
※6 Nutrients 11, 1403 (2019)
※7 Nutrition Reseach 58, 17-25 (2018)

※8 Japanese Journal of Biological Psychiatry 31, (1), 40-45 (2020)

※9 JAMA Psychiatry, 72, 268-275 (2015)
※10 Biomedical Research (Tokyo) 39, (5), 231-240 (2018)
※11 国立研究開発法人 国立がん研究センター 
※12 Front. Immunol. 6, 544, (2015)

7.免疫とグネチンc     9.抗酸化とグネチンC

作成日:2021年10月5日