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  5. 1.メリンジョとは
  6. ①インドネシア原産の樹木 ”メリンジョ”

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機能性天然食品素材

1.メリンジョとは

①インドネシア原産の樹木 ”メリンジョ”

メリンジョの樹木、実 1.メリンジョとは

メリンジョはインドネシア原産の植物であり、成長すると20m程度の高さにまで大きくなります。まず小さな緑色の実が連なってつき、熟していくにつれて次第に橙色から赤色に変化していきます。古来よりインドネシアでは、メリンジョの樹になる実や葉を酸味のあるスープ(サユールアッサム:Sayur Asam)に加えたり、実の中の種を取り出して炒ってから潰してチップス状にし、揚げてお菓子やおつまみ(ウンピン:Emping)に加工して一般的に食べられてきました。インドネシアでは、メリンジョは決して特別な植物ではなく、農家の庭には必ず1本は植えられているほど非常に身近でポピュラーな植物です。

サユールアッサム 1.メリンジョとは

メリンジョが入ったスープ、サユールアッサム

またメリンジョは、インドネシアの著名な料理人であるWilliam W. Wongsoの著書「Flavors of Indonesia」にも食材として登場します。この本ではインドネシアで使われるスパイスや食材の紹介に加えて、現地の食文化や料理の紹介がされています。その本の中でメリンジョは食材として紹介されているのみならず、Soto Bandung(牛とラディッシュのスープ)やBubur Gurih Glewo Buntut(オックステールとココナッツミルク粥)といった料理にウンピンとして添えられる形で登場しています※1。

ウンピン 1.メリンジョとは

ウンピン(メリンジョチップス)
メリンジョの種子の部分をチップスにして、色々な味付けで食べます

世界で食されるメリンジョチップス ”ウンピン”


昔からメリンジョ加工品としてウンピンの取り扱い量は多く、インドネシアの統計にも”Emping Melinjo”として輸出記録が残っています※2。当社が調べる限りでは、1984年にはすでにシンガポールやオランダなどに輸出されており、それぞれ162,600㎏、7,800㎏と少なくない量が輸出されていました。

その他にも1984年から1990年代前半までには北米のアメリカおよびカナダ、ヨーロッパのフランス、ベルギーおよびルクセンブルク、オーストラリアなどの欧米諸国に加えて、中東のサウジアラビアおよびアラブ首長国連邦、東南アジア諸国などに輸出されており、その当時ですでに年間で200,000㎏前後のウンピンがインドネシアから世界に輸出されていました。

インドネシアにおけるウンピン輸出実績 1.メリンジョとは

出典元:Statistik Perdagangan Luar Negeri Indoensia EKSPOR(インドネシア中央統計局)

現地を訪問した時の話ですが、メリンジョの相談のために訪問した農家のご自宅では、わざわざ奥様がお手製のサユールアッサムを用意してもてなしてくれたこともありました。インドネシアの家庭の味を現地で味わくことができ、なかなか経験できない貴重な体験となったことをよく覚えています。

また、現地のスーパーでもウンピンは売られていますが、子供向けにキャラメリゼしたお菓子タイプや、エビ入りのおつまみタイプなど、様々な種類が販売されています。サユールアッサムも調味料タイプなどがパックされて販売されており、お湯に野菜とそのサユールアッサムの調味料を加えて簡単につくることができます。インドネシアでは色とりどりの野菜と一緒にメリンジョの葉や実なども加えて、サユールアッサムを日常的に食べています。

メリンジョと山羊 1.メリンジョとは

自宅前のメリンジョの樹と山羊

ポリフェノールリッチな食材


メリンジョには抗酸化成分として有名なポリフェノールが豊富に含まれていることがわかっています。ポリフェノールとは、植物由来の色素成分であったり、苦み成分であったりと植物には程度の差こそあれどんな植物でもほぼ含まれているとされています。代表的な成分やグループを挙げると、カテキン(緑茶など)、イソフラボン(大豆など)、アントシアニン(ベリー類など)、レスベラトロール(ブドウなど)、クルクミン(ウコンなど)、ショウガオール(生姜など)、ケルセチン(たまねぎなど)、エラグ酸(ざくろなど)、キサントン(マンゴスチンなど)、ロスマリン酸(ローズマリーなど)等があります。

ポリフェノールは苦味や渋みのある成分が多いですが、ポリフェノールが豊富な高カカオチョコも苦味が強いですよね。緑茶の渋みもカテキンが多く抽出されることが原因と言われています。またアントシアニンやウコンは天然色素としても食品に添加されている身近な成分となります。ちなみにメリンジョ種子をチップスにしたウンピンも、塩のみ振って食べるとほろ苦い味わいです。ポリフェノールが豊富な証拠ですね。

当社でメリンジョの様々な部位について分析したところ、現地で食べている葉や実にももちろんメリンジョ・ポリフェノールは含まれていますが、種子に最も多くポリフェノールが含まれていることがわかりました。その主成分はグネチンCというレスベラトロール2量体ですが、グネチンCには抗菌効果もありますので、地中に埋まった大事な種子を細菌などから守り無事に出芽させるという役割を与えるために、メリンジョはその種子にグネチンCをより多く蓄積させていたのかもしれません。グネチンCについては、2.メリンジョの安全性 ②グネチンCとは、メリンジョ由来ポリフェノールのページに詳しく書いています。また、グネチンCの持つ機能性については機能・効果ごとにまとめておりますので、そちらも合わせてご覧ください。

メリンジョのかご盛り 1.メリンジョとは

様々な彩のメリンジョ

なお、メリンジョの学名はGnetum gnemon Linn(グネツム グネモン)です。NPO法人JASMELINDOによると、以下の様な分類となっています※3。

学名:Gnetum gnemon Linn
和名:ユミヅルノキ
門 :種子植物
副門:裸子植物
綱 :Gnetinae
目 :Gnetales
科 :Gnetaceae
属 :Gnetum
種 :Gnetum gnemon (Melinjo)

ウンピン消費量と平均寿命


ジャワ島はメリンジョの主な生産地です。そのジャワ島の中でもジョグジャカルタ特別州は他の地域と比べて収穫量もウンピンの消費量も多くなっています。ジョグジャカルタといえば、世界遺産であるボルブドゥール遺跡のある古都です。そんなジョグジャカルタでは古来より王宮が栄えており、古の王様の好きな食べ物としてメリンジョチップスであるウンピンと書かれた書物もあるほどです。近年でも王宮の名残のためか、州知事は王様「スルタン」の子孫が就任することが多いようです。

ボルブドゥール遺跡の壁画

世界最大級の仏教遺跡「ボルブドゥール遺跡」

メリンジョがより身近である歴史的な影響のためか、ジョグジャカルタ特別州の1人あたりのメリンジョ収穫量は7.61㎏とジャワ島の中でも飛び抜けて多くなっています。実際のメリンジョチップスであるウンピンの1人あたりの消費量も13.46g/週と他の地域より多くなっています。さらに驚くべき事実なのですが、ジョグジャカルタ特別州の平均寿命は男性で71.2歳、女性で75.1歳とインドネシアの平均寿命(男性:66歳、女性69歳)よりも5~6歳ほど長くなっていました※3。

ジャワ島におけるメリンジョの収穫量 1.メリンジョとは
ウンピン摂取量と寿命 1.メリンジョとは

出典元:NPO法人JASMELINDO

※1 Flavors of Indonesia BAB Publishing Indonesia
※2 インドネシア中央統計局
※3 NPO法人JASMELINDO

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作成日:2021年8月8日
更新日:2024年7月22日