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①腸内細菌とは ~メリンジョの腸内環境改善効果~

腸内細菌とは 6.腸内細菌とグネチンC

腸内細菌とは文字通り腸内に存在する細菌のことです。食べ物は口から摂取して食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門を経て糞として排出されますが、腸内細菌は大腸の中に数多く暮らしています。小腸と大腸のつなぎ目が盲腸になり、そこに腸内細菌の一時待機場所のように虫垂が突き出ていますが、このあたりから細菌の数も種類も急増し、大腸の中に存在する細菌は、糞で見られる細菌とほぼ同じになります※1。腸内細菌の種類は4000種にもなり、その菌の構成は腸内細菌叢(Gut microbiota)と呼ばれています。ヒトにとって有益な菌を善玉菌、悪い影響を与える菌を悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌と分類されます。

善玉菌の代表的なものは乳酸菌、ビフィズス菌ですが、近年はヤセ菌として認知度の上がってきたアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)や、酪酸を産生するフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)などが注目されるようになってきました。酪酸は免疫の暴走を抑制する制御性T細胞(Treg細胞)を増やす短鎖脂肪酸として近年非常に注目されています※2。

腸内フローラ 6.腸内細菌とグネチンC

ヨーグルトや納豆などの発酵食品で乳酸菌などの有用な菌を摂取するのがプロバイオティクス、その有用な菌のエサを供給するのがプレバイオティクスになります。プレバイオティクスとして利用されるためには、小腸で消化・吸収されずに大腸まで到達できる必要があり、オリゴ糖や多糖類などの水溶性食物繊維がプレバイオティクスの素材として挙げられます。

そして食べるものがヒトの体だけでなく、共生している細菌をも変えてしまいます。例えば日本は世界的には珍しい素材である海苔を食べる国の一つです。日本人の腸内には海藻の食物繊維を分解する酵素を作り出せる細菌バクテロイデス・プレビウス(Bacteroides plebeius)が存在しています※3。バクテロイデス・プレビウス菌が腸内に生息するおかげで、日本人は海苔を食べることで大腸の細菌たちに栄養素を供給することができ、腸内環境を整えることができます。これは、過去に海苔を食べる食習慣を続けてきた中で、そのような腸内細菌と共生する機会を得たためと考えられます。

また、欧米食で育ったイタリアの都市フィレンツェと伝統的な食事を維持するアフリカ・ブルキナファソの村ボウルポンという2つの地域の子供たちの腸内細菌を調べた結果、イタリアの子供たちには近年デブ菌と言われるフィルミテクス門の細菌が多い一方で、ブルキナファソの子供たちにはプレボテラ属とキシラニバクテル属の細菌が多く、このブルキナファソの子供たちの腸内で見つかった2属の細菌はイタリアの子供たちの腸内からはまったく見つからなかったということです※4。

メリンジョ(Melinjo)

メリンジョ種子エキスに含まれるポリフェノールのグネチンCは、腸内細菌叢を変化させます。「4.抗菌効果とグネチンC」のページでも記載していますが、グネチンCには枯草菌や大腸菌などに対する抗菌効果が確認されています※5。これは腸内環境においても効果が発揮することが期待されます。また近年の研究では、メリンジョエキスは悪玉菌と考えられる二次胆汁酸産生菌を抑制し、善玉菌でヤセ菌と考えられるアッカーマンシア・ムシニフィラを増加させることが明らかになっています。

※1 モダンメディア 60巻10号 (2014)
※2 Nature 504, 446–450 (2013)
※3 Nature 464, 908-912 (2010)
※4 あなたの体は9割が細菌 株式会社河出書房新社
※5 J. Agri. Food Chem. 57, 2544-2549 (2009)

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作成日:2021年8月8日