9.抗酸化とグネチンC
①酸化とは

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酸化と聞くと人体への影響という点では、一般的には紫外線や原因物質の吸収などによる影響で老化が進むという捉え方が多いかもしれません。学校で学んだことを思い出すと、鉄(Fe)と酸素(O)が結合して酸化鉄(FeOなど)に、つまりサビるという現象が酸化するということであると聞いた方が多いと思います。酸素と結合するので酸化すると言いますが、もう少し広い意味では酸化とは電子を失うことになります。
鉄(Fe)がFe2+になってO2-と結合する際は、Feは電子を失うことでプラスに荷電し酸化します。逆に電子を受け取る物質は還元され、マイナスに荷電します。日常生活でわかりやすい酸化といえば、フルーツの褐変化です。フルーツをカットしてしばらくすると、茶色に変色していきますが、これはフルーツに含まれるポリフェノールなどの抗酸化成分が酸化したために起こる現象です。
この酸化・還元反応は日々体内の中でも起こっています。呼吸する時に大気中の酸素を体内に取り込んで活用していますが、その一部が様々な要因で反応性の高い活性酸素になります。この活性酸素は様々な疾患の原因と考えられており、炎症を誘発する原因にもなるため、歯肉炎、糖尿病性腎症、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、日光皮膚炎などへに強く関与しているとされています※1。
その他にもアルツハイマー病、動脈硬化の1種であるアテローム硬化、AGEs(Advanced glycation end products:終末糖化産物)と呼ばれる糖化タンパク質などの発生のみならず、がんも関与しているされています※1。
生体内ではこの発生した活性酸素を除去する抗酸化防御機構を有しますが、その防御機構以上に活性酸素が存在する状態が、酸化ストレス(oxidative stress)と呼ばれるものです※2。
抗酸化防御機構としては、例えば酸化ストレスにより活性化する転写因子Nrf2が抗酸化遺伝子を活性化させる機構があります。また、食物の中でも抗酸化作用のある成分が多数あり、ビタミンCおよびビタミンEなどのビタミン類、カカオや緑茶、オリーブなどに含まれるポリフェノールなどが代表的な成分になりますが、これらの抗酸化成分が活性酸素を除去してくれます。
一方で酸化とは、生体にはなくてはならない現象です。例えば細胞内に存在するミトコンドリアで産生されるエネルギーATPですが、このATP産生の際に食物から得られた脂肪酸がβ酸化されて(またはグルコースがピルビン酸を経て)アセチルCoAという物質に変換されてから利用されています。
ミトコンドリアにおけるATP産生の模式図
メリンジョには抗酸化効果があります。ポリフェノールであるグネチンCを始めて配糖体のグネモノシドAやグネモノシドDなどの数多くのポリフェノールを豊富に含んでおり、また抗酸化遺伝子であるNrf2を活性化させます。
※1 化学と生物 37, (7), 475-481 (1999)
※2 厚生労働省 e-ヘルスネット
作成日:2021年11月12日