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ヘルスケア

機能性天然食品素材

11.睡眠とグネチンC

②睡眠のリズムを刻む、食品成分・体内時計・時間栄養学

サーカディアンリズム 11.睡眠とグネチンC

健康な生活を送るためには前ページに記載したように、睡眠に関する意識を高める必要があります。その睡眠にとって非常に関連の深い成分として、メラトニン(melatonin)という物質があります。メラトニンとは脳内の松果体という部位で生合成されるホルモンであり、光によって分泌が抑制されるため夜間に分泌量が増える性質があります。また夜でも蛍光灯等の強い光により分泌が抑制されます※1。このメラトニンは、睡眠や覚醒のリズム、そして概日リズムの調節も担っており※1、体内の恒常性(ホメオスタシス)の維持に非常に重要なホルモンとなっています。

腸や脳内で産生される幸せホルモン「セロトニン」


メラトニンは、脳内でセロトニン(serotonin)という成分から作られます。そのセロトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファン(tryptophan)から作られます。トリプトファンは体内で合成されないので、食事などを通して外部から取り入れる必要があります。文部科学省の食品成分データベース※2でトリプトファンの含有量が多い食材を検索すると、以下の素材が列挙されました。

トリプトファンが100gあたり400㎎以上含まれる食品素材
文部科学省の食品成分データベースにて検索)
小麦・大豆・かぼちゃ・すいか・亜麻・のり・いかなご・いわし・かつお・さば・たら・にしん・ほたて・いか・とびうお・牛・豚・鶏・卵・乳製品

その中でも特にトリプトファンの含量が多かったのが、分離大豆タンパク(同1200㎎)、鰹節(同1000㎎)、乾燥にしん(同1300㎎)、乾燥卵白(同1300㎎)、カゼイン(乳タンパク)(同1100㎎)といった素材でした。食品素材から分離されたタンパク質や乾燥素材という影響もありますが、一般的に高タンパク素材と言われる肉、魚、卵、乳、大豆といった食材にアミノ酸であるトリプトファンも多く含有されていることがよくわかります。体内でメラトニンを生成するためにも、その原料であるトリプトファンの適切な摂取は大事です。これらの素材について、適切な量を適切なタイミングで摂取し、生活リズムを整えることも大事ですが、それに加えて腸内環境を整え適切な運動をすることが、脳内でのメラトニンの産生には必要になります。

トリプトファンの豊富な食材 11.睡眠とグネチンC

体内のセロトニンは90%以上が腸で産生されており、これは腸内細菌によって生成されます。そして腸由来のセロトニンは、消化管運動や血小板機能を調節し、免疫応答や骨の発達、心機能の調節までを行っていますが※3、脳内へそのまま移行することはありません※4。

トリプトファンは小腸から吸収され、血液中でその90%は血中に存在するタンパク質であるアルブミンと結合した結合型であり、残りの10%は遊離型として血中に存在しています。脳内に移行できるのは遊離型のみです※4。そのため脳内でメラトニンを生成するためには、血中の遊離型トリプトファンを増やすことが大切になります。

この遊離型トリプトファンを増やすためには、運動が効果的です。運動することにより骨格筋での分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン:BCAA)の代謝を促すことで遊離型トリプトファンの脳内移行に拮抗する血中BCAA濃度を下げる、運動することによりトリプトファンと同様に血中でアルブミンと結合する脂肪酸をエネルギー源として血中に放出させ、血中脂肪酸濃度を上げることで血中の遊離型トリプトファン濃度を高くする、これらの変化が脳内へ移行するトリプトファンを増やすことにつながります※4。

時計遺伝子により護られるサーカディアン(概日)リズム


また、人間の生活リズムを整えるために体内時計(biological clock)という機構が体内に備わっています。例えば、朝日が徐々に差してくるとそれに応じて睡眠が浅くなり、目ざめ感が良くなる一方、就寝前の強い光は体内時計を介したリズムを遅らせて入眠を妨げる方向に働きます※5。また体内時計は、脳内の視床下部の視交叉上核に存在し、ほぼ24時間周期でリズムをコントロールしている概日リズム(circadian rhythm)により管理されています※6。

時計遺伝子 11.睡眠とグネチンC

実際には時計遺伝子(clock genes)と呼ばれる多くの遺伝子があり、主なものだとPERCRYCLOCKBMALの4つの遺伝子が確認されています。哺乳類ではCLOCKBMAL遺伝子の発現により産生されるCLOCK、BMAL1タンパク質がヘテロダイマーを形成し、PERCRY遺伝子の発現を促進させます。それにより産生されるPER、CRYタンパク質がCLOCKBMAL遺伝子の発現を抑制(フィードバック阻害)します。その後PER、CRYタンパク質が減少していくと再びCLOCK、BMAL遺伝子が活性化されていきます。これが繰り返されることで約24時間の周期を刻むことができ概日リズムを保つことが可能となります※7。

さらに概日リズムは睡眠タイミングとエネルギー恒常性の両方を制御することが知られており、概日リズムの乱れは代謝機能障害や肥満に関連する疾患との関連が指摘されています。815人の非交代制労働者に限定した解析では、社会的時差ぼけ(social jetlag)が代謝機能障害および肥満と関連していました。「体内時計に逆らった生活」が代謝異常に関連している可能性があります※8。

夜食によるリズムの乱れ 11.睡眠とグネチンC

睡眠不足に関連した例としては、食べる時間というのが身体にも大きく影響することがわかってきています。時間栄養学という考え方が近年ではよく聞かれるようになりました。

マウスは本来夜行性で昼は非活動期なのですが、その非活動期(人間でいうと夜中)のみに餌を食べたマウスはわずか1週間で体重が増加し、コレステロールと中性脂肪も大きく増加しました※9。また食事摂取の時間が非活動期であること、つまり食生活の乱れによる肥満は、運動による改善効果があまり有効でないという驚きの事実もあるようです※9。

メリンジョには、時計遺伝子を活性化させ、中途覚醒を抑制し、睡眠の質を改善する効果があります。

体内での滞留時間が長いグネチンC 3.グネチンCの吸収と代謝