バングレ(Zingiber purpureum Rosc.)エキスは、マウス大腸炎モデルにおいてAMPK/mTOR/NFκB経路の調節を介して大腸の炎症を軽減し、オートファジーを促進する

ジャワしょうが(バングレ)由来成分の生理活性に関する論文について紹介します。
■学術ジャーナル
Molecular Nutrition & Food Research 0:e70034 (2025)
■論文公開日
2025.4.3
■概要
ジャワしょうが(バングレ)は、ショウガ科に属する抗炎症作用を有する多年草ですが、潰瘍性大腸炎における研究は十分に行われていません。本研究では、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性大腸炎を有するマウスの大腸におけるジャワしょうがエキスの炎症とオートファジーへの影響を調べることを目的としました。雄のC57BL/6Jマウスを4つのグループに分けました(コントロール群、DSS+0%ジャワしょうがエキス群(DSS 0%BaE群)、DSS+1%ジャワしょうがエキス群(DSS 1%BaE群)、およびDSS+3%ジャワしょうがエキス群(DSS 3%BaE群))。ジャワしょうがエキス群(BaE群)の3グループは3週間ジャワしょうがエキス含有食を摂取し、その後さらに1週間ジャワしょうがエキス含有食と3%DSS含有水を添加したものを摂取しました。コントロール群は4週間、標準の飼料と水を摂取しました。血漿中のLRG濃度、そして大腸のマクロファージ数、NFκB p65、TNF-α、AMPK、PGC-1α、mTOR、およびオートファジーマーカーを分析しました。DSS 0%BaE群では、血漿中LRGレベル、マクロファージ数、NFκB p65タンパク質、およびTNF-α mRNAレベルがコントロール群に比べて有意に高くなったが、DSS 3%BaE群では、これらのレベルが有意に低下しました。さらにDSS 3%BaE群では、PGC-1αとリン酸化AMPKのレベルが増加、リン酸化mTORのレベルが低下、オートファジーマーカーであるLC3B-IIのレベルが増加しました。ジャワしょうがエキスはDSS誘発性大腸炎においてAMPK/mTOR/NFκB経路の調節を介して大腸の炎症を軽減し、オートファジーを促進する可能性があります。
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