③メリンジョの歯周炎抑制効果
メリンジョには、抗酸化遺伝子を活性化させることで歯周炎により発生する炎症性サイトカインを抑制する効果があります。
9.抗酸化とグネチンC ③抗酸化遺伝子Nrf2の活性化による歯周病抑制効果でも記載していますが、酸化ストレスが歯周病のような炎症の症状に影響する大きな要因と言われており、酸化ストレスを抑制することが歯周病などの症状緩和に影響すると考えられます。
コントロール群(C群)、結紮(糸で歯を縛る)により誘発させた歯周病誘発群(P群)、歯周病誘発+メリンジョエキス(P+R群)の3グループに分けたラットを用いた試験では、歯ぐき細胞を採取しNrf2のmRNAを分析した結果、C群に対してP群は有意に増加しましたが、メリンジョエキスを摂取したP+R群は、C群およびP群に対して有意に増加していました。HO-1についてはP群に対して有意差はなく増加傾向にとどまり、NQO-1については大きな変化がなかったP群に対して有意に増加しました※1。Nrf2を活性化することでその標的遺伝子群であるHO-1やNQO-1が活性化され、酸化ストレスへの耐性が高まり炎症を抑制します。
実際に試験に用いたラットの歯ぐき細胞を採取し分析した結果、炎症性サイトカインであるインターロイキン-1β(IL-1β)、インターロイキン‐6(IL-6)および腫瘍壊死因子(TNF-α)のmRNAはC群に対してP群は著しく増加しましたが、メリンジョエキスを摂取したP+R群は、P群に対して大幅に減少していました※1。
また血中の炎症性サイトカインについても測定した結果、TNF-αはC群に対してP群は有意に増加し、P群に対してメリンジョエキスを摂取したP+R群は有意に減少しており、IL-1βおよびIL-6についても同様の傾向が見られました※1。
歯周炎の炎症が見られる箇所および血中内の炎症性サイトカインの産生を抑制した結果、口腔内の状態も改善することが明らかになっています。結紮(糸で歯を縛る)により歯周病を誘発させた群では、歯周ポケットの悪化により歯槽骨が失われ歯がむき出しになりますが、メリンジョエキスを摂取した群は歯がむき出しになる部分が少なくなり歯槽骨の欠損を抑制するといった症状の改善がみられました※1、2。マウスを用いた試験では、DNAの酸化ダメージのマーカーである8-OHdGに関して歯周炎の部位を染色し活性酸素によるダメージを測定したところ、メリンジョエキスを投与した群は未投与群に対して有意にダメージが少なくなりました※2。
さらに、単量体(モノマー)であるレスベラトロールとレスベラトロール二量体(ダイマー)であるグネチンCの両成分で効果の違いを検証したところ、骨欠損はレスベラトロールよりグネチンCの方がより強く抑制し、歯周炎を誘導したマウスの歯肉組織における炎症性サイトカインIL-1βのmRNA発現量についてもグネチンCの方が有意に抑制しました※3。
※1 Free Rad. Bio. & Med. 75, 222-229 (2014)
※2 J. Periodontology 89, 586-595 (2018)
※3 BMC Oral Health 22, (1) 460 (2022)
作成日:2022年4月1日
更新日:2023年5月8日