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ヘルスケア

機能性天然食品素材

12.内臓脂肪とグネチンC

③メリンジョによる内臓脂肪の蓄積改善効果

メリンジョの実

肝臓脂肪などの内臓脂肪抑制効果


メリンジョには内臓脂肪の増加を抑制する効果があります。C57BL/6J雄マウスを9匹ずつ5群に分け8週間飼育しました。コントロール群、高脂肪食群、高脂肪食群+メリンジョ種子エキス0.05%群、同0.3%群、同2.0%の5群です。2.0%群の場合、メリンジョ種子エキスの摂取量は400mg/kg/日となります。その結果、高脂肪食群に対してメリンジョ種子エキス2.0%群は体重が有意に減少し、精巣上体脂肪や腎臓などの内臓脂肪では減少傾向が見られました※1。

マウスを用いた他の試験でもコントロール群、高脂肪食群、高脂肪食+メリンジョ種子エキス1%群で17週間飼育したところ、各数値が悪化した高脂肪食群に対してメリンジョ種子エキス1%群は体重増加を有意に抑制し、鼠径部(足の付け)や生殖腺の白色脂肪組織の体重に対する重量割合および肝臓トリグリセリドも有意に抑制しコントロール群に近い数値まで顕著に改善させました※2。

5.胆汁酸とグネチンC ③グネチンCによる肝臓脂肪増加の抑制効果でもご紹介しましたが、マウスを3つの群(普通食群、高脂肪食群、試験食群(高脂肪食+グネチンC 0.5%群)に分けて肝臓重量および内臓脂肪の重量を調べたところ、普通食群に比べて高脂肪食群では肝臓重量は1.5倍、内臓脂肪は3.5倍に増加しましたが、グネチンCを0.5%含む試験食群では普通食群と同程度以下となり、増加を著しく抑制していました※3。

グネチンCによる肝臓脂肪の増加抑制 5.胆汁酸とグネチンC

出典元:特許 国際公開番号WO/2020/071541 A1

さらに他のマウス試験でもメリンジョ種子エキス摂取の濃度依存的に精巣上体脂肪および皮下脂肪が有意に減少しました※4。

抗炎症効果を起点とした代謝改善効果


また上述したマウス試験では、抗炎症効果も見られました。8.炎症とグネチンC ②メリンジョの抗炎症効果でも記載していますが、高脂肪食群は褐色脂肪組織において炎症性サイトカインであるMcp1のmRNA発現量は高脂肪食群に対してメリンジョ種子エキス1%群は有意に減少し、鼠径部白色脂肪組織においてもMcp1、インターロイキン-1β(IL-1β)が有意に減少し、腫瘍壊死因子(TNF-α)およびインターロイキン6(IL-6)でも同様の傾向を示しました※2。

歯周病誘発モデルラットを用いた試験では、コントロール群(C群)、結紮(糸で歯を結ぶ)により誘発させた歯周病誘発群(P群)、歯周病誘発+メリンジョ種子エキス(P+R群)の3グループに各6匹と分けて3週間飼育、メリンジョ種子エキスの投与量は経口投与にて10mg/kgとし、炎症性サイトカインなどの発現量を測定しました。歯ぐき細胞を採取し分析した結果、炎症性サイトカインであるIL-1β、IL-6およびTNF-αのmRNAはC群に対してP群は著しく増加しましたが、メリンジョ種子エキスを摂取したP+R群は、P群に対して大幅に減少していました※5。

また血中の炎症性サイトカインについても測定した結果、TNF-αはC群に対してP群は有意に増加し、P群に対してメリンジョ種子エキスを摂取したP+R群は有意に減少しており、IL-1βおよびIL-6についても同様の傾向が見られました※5。

肥満から始まるインスリン抵抗性

肥満⇒慢性炎症⇒インシュリン抵抗性悪化⇒糖・脂肪代謝異常⇒メタボという一連の流れがありますが、高脂肪食摂取により悪化したインシュリン抵抗性は、メリンジョ種子エキスの摂取により顕著に改善しました※1、2。

マウスを用いた試験では、メリンジョ種子エキス摂取により空腹時血糖値の増加を有意に抑制し、高脂肪食摂取時に筋組織において活性が減少する遺伝子で脂肪代謝を調節するPGC-1α、PPARα、SREBP1cを有意に増加させて回復させました※4。

脂肪細胞が産生するアディポサイトカイン 8.炎症とグネチンC

ヒト試験にて健常人の血液から採取した免疫細胞を用いたin vitro試験において、炎症性サイトカイン誘導物質であるPHAによりインターフェロン-γ(IFN-γ)、TNF-α、グランザイムB(GZMB)を誘導させメリンジョ種子エキスを添加し培養したところ、濃度依存的にこれら炎症性サイトカインが減少しました※6。TNF-αはインスリン抵抗性引き起こすため※7、代謝の悪化につながる炎症性サイトカインとして知られています。

ミトコンドリア活性化による代謝改善効果


高脂肪食群はコントロール群に対して褐色脂肪組織(BAT)においてミトコンドリアの熱産生に関わるUCP1およびエネルギー(ATP)産生に関わるCOX4のタンパク量を有意に増加させますが、メリンジョ種子エキス1%群はその高脂肪食群に対してさらにタンパク量を有意に増加させました※2。これはミトコンドリアを活性化して熱産生およびエネルギー代謝を促進、基礎代謝を上げることにつながります。

メリンジョが筋組織において活性化させるPGC-1α※4はミトコンドリア生合成のマスター遺伝子でもあり、筋組織におけるミトコンドリア量の増加につながる可能性があります。同時にPGC-1αは筋萎縮の抑制効果もあります※8。また運動によっても筋組織のPGC-1αの発現が増加することがわかっており、筋組織やミトコンドリアへの影響が非常に大きい因子になります。

ミトコンドリアは糖や脂肪酸を代謝しエネルギーであるATPを産生する重要な器官であり、体中の組織・細胞の中に存在していますが、脂肪細胞の場合は白色脂肪細胞よりも褐色脂肪細胞に多く存在すると言われています。ミトコンドリアに関しては、8.筋肉とバングレン ④バングレンによる疑似的な運動効果でも記載していますので、ぜひご覧ください。

ミトコンドリアによるATP産生イメージ図 8.筋肉とバングレン

※1 Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 79, (12) 2044-2049 (2015)
※2 Nutrition Reseach 58, 17-25 (2018)
※3 特許 国際公開番号WO/2020/071541 A1
※4 Scientific Reports 10, 4313 (2020)
※5 Free Rad. Bio. & Med. 75, 222-229 (2014)
※6 Integr. Mol. Med. 2, (6) 405-413 (2015)
※7 YAKUGAKU ZASSHI 138, (11) 1329-1334 (2018)
※8 J. Physiol. 592, (20) 4575-4589 (2014)

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作成日:2022年12月19日