NAFLDモデルマウスにおける高脂肪食誘発肝脂肪症および肝線維症に対するメリンジョ種子エキス由来グネチンCの保護効果
メリンジョ由来成分の生理活性に関する論文について紹介します。
■学術ジャーナル
Nutrients 15, (18) 3888 (2023)
■論文公開日
2023.9.6
■概要
慢性肝疾患の中で最も一般的である非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、脂肪肝、炎症、進行した線維症が進み、肝硬変のリスクを高めます。抗酸化作用と抗炎症作用を有する天然のポリフェノールであるレスベラトロールは、様々な代謝性疾患の治療に有益です。メリンジョ種子エキスから得られるレスベラトロール誘導体であるグネチンCも、同様の健康促進効果を有しています。我々はモデルマウスを用いてNAFLD予防におけるグネチンCの役割を調べ、レスベラトロールと比較しました。雄性C57BL/6Jマウスにコントロール食(脂肪からのカロリー10%)、高脂肪コリン欠乏(HFCD)食(脂肪からのカロリー46%)、およびグネチンC(150mg/kg BW/日)またはレスベラトロール(150mg/kg BW/日)を配合したHFCD食を12週間摂取させました。グネチンCの摂取により体重と肝臓重量が減少し、血糖値とインスリン感受性が改善しました。グネチンCとレスベラトロールはともに肝脂肪沈着を減少させ、グネチンCは肝臓の脂質含量も減少させました。グネチンCとレスベラトロールは、HFCDにより誘発された肝線維症を改善しました。mRNA発現の結果とウェスタンブロット分析より、グネチンCとレスベラトロールはTGF-β1シグナル伝達経路における線維化マーカーをある程度まで低下させました。これはNAFLDに対する保護機構を有する可能性が示唆されます。これらの結果はグネチンCの摂取が脂質沈着と肝線維化から保護する可能性を示唆しています。
素材に関する説明は、下記のページにてご覧頂けます。紹介動画もご用意していますので、ぜひご覧ください。