前立腺がんにおけるグネチンCのMTA1依存的な抗がん作用について
メリンジョ由来成分の生理活性に関する論文について紹介します。
■タイトル
MTA1-Dependent Anticancer Activity of Gnetin C in Prostate Cancer
■学術ジャーナル
Nutrients 11, (9) 2096 (2019)
■論文公開日
2019.8.30
■概要
前立腺がんにおける転移関連タンパク質1(MTA1)の過剰発現は、腫瘍の侵襲性と転移に寄与しています。我々はin vitro および in vivo において、レスベラトロールとその強力なアナログであるプテロスチルベンによる MTA1 の阻害を報告しました。プテロスチルベンの投与はMTA1の発現とシグナル伝達を阻害することにより、マウスモデルにおける前立腺上皮内新生物と腺がんの進行を抑制することを実証しました。今回、レスベラトロールの二量体であるグネチンCのMTA1標的抗がん作用について、レスベラトロールとプロスチルベンと比較して調査しました。DU145およびPC3M前立腺がん細胞を用いて、グネチンCがレスベラトロールおよびプテロスチルベンよりも強力にMTA1を抑制することを見出しました。さらにグネチンCは、MTA1を介した細胞生存率、コロニー形成、移動に対して有意な抑制効果を示し、レスベラトロールやプテロスチルベンよりも強力な細胞死の誘導作用を示しました。それらに加えて、前立腺がんに対するグネチンCの優れた抗がん作用のメカニズムとして、MTA1依存性だけでなく、MTA1とは独立したグネチンCによる実質的なETS2の低下が確認されました。これらの発見は、新規の強力なレスベラトロール二量体であるグネチンCが前立腺がんの化学予防および場合によってはコンビナトリアル治療法の開発において、臨床的に有望な成分であることを主張しています。
素材に関する説明は、下記のページにてご覧頂けます。紹介動画もご用意していますので、ぜひご覧ください。