レスベラトロール誘導体を豊富に含むメリンジョ種子エキスの歯周炎モデルマウスにおける治癒誘導効果
メリンジョ由来成分の生理活性に関する論文について紹介します。
■学術ジャーナル
J. Periodontology 89, (5) 586-595 (2018)
■論文公開日
2018.2.10
■概要
背景:歯周炎では、炎症性サイトカイン・活性酸素・白血球などの生体防御系産物が放出され歯周病菌を攻撃するが、同時に組織破壊も引き起こします。我々は抗酸化作用を有する食用植物エキスでありレスベラトロール誘導体を豊富に含むメリンジョ種子エキスが、歯周骨欠損の治癒および歯周組織破壊につながる免疫炎症系の調節を促進すると考えています。
方法:実験的に歯周炎を誘発させたマウスを使用した。まずリガチャーを15日間装着させ歯周炎を発症させました。その後、歯周炎発症時には既に生じていた歯周骨欠損を回復させるためにメリンジョ種子エキスを腹腔内投与(0.001%(w/w))し、17、20、22日目にマウスを屠殺しました。
結果:形態計測の結果、メリンジョ種子エキス投与群では対照群と比較して歯周骨欠損の抑制が見られました。免疫組織化学的検査により、メリンジョ種子エキス投与群では酸化ストレスが低いことが示されました。またメリンジョ種子エキスは、M-CSF/sRANKLを介した破骨細胞形成を阻害し、破骨細胞活性を低下させました。
結論:歯周炎誘発マウスにおけるメリンジョ種子エキスの投与は実際に骨の治癒を引き起こしました。そしてこれらの効果は、おそらく局所的な酸化損傷および破骨細胞活性の低下に関連しています。メリンジョ種子エキスの骨分化におけるポジティブな効果を考慮すると、これらの発見はメリンジョ種子エキスが歯周炎のコントロールに有用な治療剤となる可能性を示唆するものです。
素材に関する説明は、下記のページにてご覧頂けます。紹介動画もご用意していますので、ぜひご覧ください。