メリンジョ由来成分の生理活性に関する論文について紹介します。

■タイトル
Metastasis-associated protein 1-mediated antitumor and anticancer activity of dietary stilbenes for prostate cancer chemoprevention and therapy

■学術ジャーナル
Seminars in Cancer Biology 80, 107-117 (2020)

■論文公開日
2020.2.29

■概要
抗酸化作用、抗炎症作用、抗癌作用など有益な生物学的機能を示す食事由来の生理活性ポリフェノールは、有効かつ安全な天然の抗癌剤として非常に有望です。ポリフェノールの多様な作用の根底にある分子メカニズムは複雑であり、これらの分子は化学予防や治療の有望なターゲットと考えられています。しかし治療成果を上げるためには、新規の個別に標的化された学予防と治療戦略の開発が不可欠です。本総説では前立腺がんのコントロールに関して、転移関連タンパク質1（MTA1）を標的とした3種の食事由来のスチルベン、レスベラトロール、プテロスチルベンおよびグネチンCの抗がん・抗腫瘍効果の可能性に注目します。（遺伝子の働きを制御する）エピジェネティックの（ヒストン収縮部位と結合する）リーダーであり、マスター転写調節因子であるMTA1は、前立腺がんの進行と転移のすべての段階において重要な役割を担っています。スチルベンはMTA1の発現を阻害し、MTA1/ヒストンデアセチラーゼ複合体を破壊し、MTA1に関連するエピジェネティクス-マイクロRNAを調節し、in vitroおよびin vivoにて前立腺がんにおけるMTA1依存性の炎症、細胞生存、および転移を抑制します。全体として、食事由来のスチルベンを含むMTA1をターゲットとした戦略は、早期前立腺がん患者の特定の部分集団における効果的な化学予防、および進行した転移性前立腺がんに対する従来の化学療法薬との組み合わせ戦略にとって価値がある可能性があります。

素材に関する説明は、下記のページにてご覧頂けます。紹介動画もご用意していますので、ぜひご覧ください。

インドネシア原産の樹木”メリンジョ”