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メリンジョ

前立腺がんにおけるグネチンCによる治療の可能性: 前臨床試験

メリンジョ(Melinjo)

メリンジョ由来成分の生理活性に関する論文について紹介します。

■タイトル
Therapeutic Potential of Gnetin C in Prostate Cancer: A Pre-Clinical Study

■学術ジャーナル
Nutrients 12, (12) 3631 (2020)

■論文公開日
2020.7.6

■概要
天然スチルベンは、前立腺がんに対する抗がん作用が期待されることから科学界で大きな注目を集めています。我々は最近、レスベラトロールの二量体であるグネチンCが、他のスチルベン類よりも強力に前立腺がん細胞株におけるMTA1/ETS2軸を阻害することを報告しました。本研究では、前立腺がん細胞株であるPC3Mにルシフェラーゼを組み込んで皮下異種移植片を用い、グネチンCのin vivoにおける抗腫瘍効果を2濃度(50および25 mg/kg、腹腔内投与)で調べ、レスベラトロールおよびプテロスチルベンと比較検討しました。その結果、溶媒のみ投与したマウスでは腫瘍の進行が速いのに対し、成分を投与したマウスでは腫瘍の成長が顕著にその進行が遅延することが明らかになりました。50㎎/kgを投与したグネチンCが最も強い腫瘍抑制効果を示しました。25mg/kgを投与したグネチンCは、50mg/kgのプテロスチルベンと同程度の腫瘍抑制効果を示しました。有効な抗腫瘍効果と一致する形で、グネチンCを投与した腫瘍は他のすべてのグループと比較して分裂活性と血管新生が減少し、アポトーシスが有意に増加しました。これらはグネチンCがレスベラトロールやプテロスチルベンよりも前立腺がん異種移植片の腫瘍進行を遅らせる効果があることを示唆しています。以上のことから、in vivoで前立腺がんの進行を効果的に阻止する目的において、グネチンCがスチルベンの中で先頭に立つ成分であることを初めて実証しました。

 

素材に関する説明は、下記のページにてご覧頂けます。紹介動画もご用意していますので、ぜひご覧ください。

インドネシア原産の樹木”メリンジョ”

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