メリンジョ(Gnetum gnemon)のレスベラトロールが酸化ストレスによる内皮の老化を防ぐ
メリンジョ由来成分の生理活性に関する論文について紹介します。
■タイトル
Trans-Resveratrol in Gnetum gnemon Protects against Oxidative- Stress-Induced Endothelial Senescence
■学術ジャーナル
J. Nat. Prod.76, (7) 1242-1247(2013)
■論文公開日
2013.7.16
■概要
メリンジョ(Gnetum gnemon)はインドネシアで栽培されている樹木性の雌雄異株の植物です。この種の種子には、主に二量体のスチルベノイド化合物(グネチンC、グネモノシドA、 グネモノシドD)とt-レスベラトロールが含まれています。t-レスベラトロールには、アンチエイジング、抗がん、抗糖尿病効果があること、さらにカロリー制限と類似した作用をすることが報告されています。SIRT1には血管老化に対する保護作用があります。本研究では、メリンジョ種子胚乳エキス(エタノール抽出物)のこれら4つの主要なスチルベノイド誘導体の内皮老化に対する効果を検討した。ストレプトゾトシン誘発糖尿病マウスにおいて、メリンジョエキスの投与により、SIRT1 が増加し内皮の老化が抑制されました。このマウスでは、血漿中のグネチンCの濃度がt-レスベラトロールの6倍になっていました。次に、メリンジョ種子由来の主要なスチルベノイド誘導体4種のin vitroでの作用を調べました。過酸化水素によりヒト臍帯静脈内皮細胞に老化を誘導させたところ、内皮の老化はt-レスベラトロールによって抑制され、内皮の一酸化窒素合成酵素とSIRT1の発現を増加させたが、グネチンC、グネモノシドA、 グネモノシドDには効果がありませんでした。以上の結果から、メリンジョ種子エキスは内皮の老化を抑制することが明らかになり、t-レスベラトロールが内皮の老化防止に重要な役割を果たしていることが示唆されました。
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