天然フェノール化合物による微生物感染症の予防
メリンジョ由来成分の生理活性に関する論文について紹介します。
■タイトル
Preventing Microbial Infections with Natural Phenolic Compounds
■学術ジャーナル
Future Pharmacol. 2, (4) 460-498 (2022)
■論文公開日
2022.11.2
■概要
人間と病原体の闘いは、毎年数え切れないほどの命を奪い、今も奪い続けています。従来の抗生物質の誤利用が増えるほど、病原体の耐性メカニズムは複雑化し、次第に洗練されたメカニズムへと進化し、抗生物質の有効性を低下させるようになってきています。そのため感染症に対応して耐性を回避し、自然のマイクロバイオーム（腸内細菌などの微生物群）を守ることができる、新規で信頼性の高い治療薬を発見することに関心が高まっています。この点において、自然界に存在するフェノール化合物はその潜在的な安全性と治療効果により、大きな注目を集めています。フェノール化合物には、その構造に起因する異なる生物学的活性を持つ数多くのそして広く分布するグループが存在します。天然のフェノール化合物は、微生物感染に関連する様々な臨床関連病原体に対して強力な抗菌活性を示し、殺菌性または静菌性の抗生物質に対して多剤耐性菌を感作することが研究により明らかにされている。本総説では、様々な天然のフェノール化合物の抗菌活性に関する現在の知見を取りまとめています。特に単純フェノール、フェノール酸、クマリン、フラボノイド、タンニン、スチルベン、リグナン、キノン、クルクミノイドなどの天然フェノール化合物の各クラスについて構造活性相関と作用機序に焦点を当てています。
素材に関する説明は、下記のページにてご覧頂けます。紹介動画もご用意していますので、ぜひご覧ください。